事業紹介WORKS
技術部
多くの実績で培った鉄道の設計技術を基に、
確かな創造力を発揮

技術部はJR西日本グループの中で鉄道土木構造物の設計作業を直轄で行っています(直轄:自ら手を動かして仕事をすること)。長年の実績と信頼される技術力を基に、安全性・利便性・経済性などをバランス良く考慮した設計を行います。設計作業の一連の流れ([形状設定]⇒[設計計算]⇒[設計図面]⇒[数量計算])の中で、これまでに蓄積された膨大なデータを活用し、良質な成果を提供します。
仕事の流れ(イメージ)
1
受注
設計内容・設計条件・工期・費用を調整の上、発注者と文書で契約します。プロジェクトの概要や顧客の要望を把握します。
2
調査
現場状況の確認のため、現地に行き、写真撮影やメジャーによる測定を行います。

3
一般図作成・打合せ
設計構造物、測量図、土質条件、用地境界、埋設物や架空線を同じ図面に重ね合わせ、CADを使って一般図を作成します。
鉄道に必要な離隔、他の支障物との離隔の確認など、境界条件を確認します。

4
設計計算
3で描いた一般図を基に、実際の設計条件(荷重や土質条件等)で設計計算を行います。
具体的には、コンクリート構造物であれば断面寸法と内部鉄筋、鋼構造物であれば鋼材寸法と鋼材強度などを決めます。

5
詳細図作成
4で決定した部材断面を図化します。構造細目や施工性に注意しながら、コンクリート構造物であれば鉄筋配置(径、ピッチ、かぶり、質量)、鋼構造物であれば鋼材寸法、ボルト位置、質量などを表記します。

6
数量計算
5で作成した図から、設計構造物の数量を計算します。数量とは、コンクリート構造物であればコンクリート体積、鉄筋量、型枠面積などで、鋼構造物であれば鋼材寸法、ボルト本数、溶接サイズと溶接延長などです。

7
照査
3から6の内容を報告書にまとめます。この内容に間違いないか確認します。赤色のペンを用いて、電卓をたたいて、計算のチェックや図面との照合を行います。

8
納品
7の指摘を修正後、報告書を取りまとめて、発注者に納品し、費用を受領し、業務が完了します。
業務実績
近年の大阪府内のプロジェクトにおいて、当社が設計した代表的な構造物を紹介します。
おおさか東線
2019年3月におおさか東線(北区間)が開業した新大阪~放出駅間(11.1km)のうち、南吹田駅~淀川北岸線の区間を当社が担当しました。設計した鉄道土木構造物は高架橋、橋りょう下部工、橋りょう、線路下横断ボックス、ホームなど多岐にわたります。
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①ラーメン高架橋(南吹田駅付近)
ラーメン高架橋は、よく目にする代表的な鉄道構造物です。RC構造で地上部では柱、横梁、縦梁で骨組みが組まれ、その上のスラブ床版の上に鉄道が走ります。南吹田駅~神崎川橋りょう間(全長約270m)の高架橋を設計しました。
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②橋りょう下部工(神崎川橋りょう)
全長171m、曲線半径280mのトラス橋はRC構造の橋脚と橋台の下部工で受けています。河川内に2基の橋脚基礎があり、両サイドの河川堤防には橋台基礎それぞれ1基ずつがあります。
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③橋りょう(歌島豊里線架道橋)
L=51m、斜角52°、単線のPC下路桁です。道路空頭を確保するため下床版を薄くし、両サイドの壁を高くした構造です。
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④線路下ボックス(淀川北岸線架道橋)
L=24mの歩道と車道の4径間ボックス構造です。両サイドのL=8mウイングが特徴です。地震時の地盤の液状化対策のためにウイングの背面に面状補強材を敷設しています。
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⑤ホーム(淡路駅)
JR淡路駅、L=160mの相対式ホームは、駅のコンコース部(中央部)はラーメン高架橋構造であり、それを挟む両サイドは高盛土法面の上に鉄筋コンクリート壁を構築しています。
JR総持寺駅
2018年3月に開業した東海道本線(京都線)のJR総持寺駅において、駅部の設計を担当しました。
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①自由通路、駅舎部ボックス、擁壁
複々線の線路を移設して、線路内側に島式ホームを新設しました。設計は、線路下の自由通路ボックス、駅舎ボックス、擁壁、駅部の階段やエレベーター・エスカレータの基礎など、多岐にわたります。
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②ホーム
島式ホームは延長160mで、高盛土部と駅舎ボックス部の上に設置されています。中央に階段やエレベーター、エスカレータ、上屋柱、可動式ホーム柵を受けるための複雑に開口を設けることや、これらを受ける基礎を設計に反映しています。
ホーム柵
乗降客がホームからの転落を防止するため、鉄道会社はホーム転落防止柵の設置を進めています。ホーム柵は主に既設ホームに設置されるので、既設ホームの構造が異なることや設計年度の違いによる設計基準の相違のため、それに対応した基礎構造の設計が必要になります。
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①昇降式ホーム柵
ホームに停止する電車のドアの位置が異なる場合、ロープを上下させる方式のホームドアが設置されます。新快速や特急が停車するホームに用いられます。
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②可動式ホーム柵
ホームに停止する電車のドアの位置が同じ場合、引き戸式のホームドアが設置されます。
3D CADやFEM解析など新しい技術を積極的に取り入れています
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3D CAD図(ラーメン高架橋)
IT技術の進展に伴い、3DCADを活用した設計に取り組んでいます。
上の図はラーメン高架橋を3次元化した図です。完成後のイメージだけでなく、建築物との競合、施工時の支障部との干渉を防止し、品質や安全性の向上に取り組んでいます。
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FEM解析(変位分布図)
地盤の影響解析にはFEM解析を実施します。
上の図は線路下横断ボックス設置のための地盤掘削時に、周辺の構造物(橋脚)への影響(変位、沈下等)をFEM解析したものです。
若手技術者の育成を積極的に行っています
当社では先輩技術者によるOJT(On the Job Training)による実務教育、技術士などの資格取得支援、技術講習会参加の推奨、現場見学の実施により、若手技術者の技術力をスキルアップさせていきます。
